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01. ペンテストの基礎用語 📚

🔊 音声で聴く

手を動かす前に、よく出てくる基本概念を押さえておきます。 「どの立場で」「どれだけ情報を持って」「何を目的に」テストするか——で呼び方が変わります。


1. 情報量による3分類(ブラック / グレー / ホワイトボックス)

診断者が事前にどれだけ内部情報を持っているかで、テストの型が分かれます。

flowchart LR
    B["ブラックボックス<br>情報ゼロ"] --> G["グレーボックス<br>一部の情報あり"] --> W["ホワイトボックス<br>内部を全部開示"]
    style B fill:#2d333b,stroke:#8b949e,stroke-width:2px,color:#e6edf3
    style G fill:#2d333b,stroke:#8b949e,stroke-width:2px,color:#e6edf3
    style W fill:#2d333b,stroke:#8b949e,stroke-width:2px,color:#e6edf3
型 事前情報 立場のイメージ 長所 / 短所
ブラックボックス ほぼ無し(URLやIPだけ) 外部の攻撃者と同じ目線 現実的な攻撃を再現できる / 時間がかかる・見落としも
グレーボックス 一部あり(一般ユーザーのアカウント等) 内部に少し足場がある攻撃者 バランスが良い(実務で多い)
ホワイトボックス 全開示(ソースコード・構成・管理者権限) 内部をよく知る監査 網羅的で深い / 現実の攻撃者目線とは違う

💡 使い分け: 「外部からどこまで入られるか」を見たい → ブラックボックス。 「限られた時間で網羅的に穴を洗いたい」→ ホワイトボックス(ソースも見る)。 実務では グレーボックス(一般ユーザー権限を渡して診断)が多い。


2. 立場による分類(レッド / ブルー / パープルチーム)

攻める側(レッド)と守る側(ブルー)の対決

セキュリティの現場は「攻める側」と「守る側」に分かれます。

flowchart TB
    R["🔴 レッドチーム<br>攻める側"] <-->|学び合う| P["🟣 パープルチーム<br>両者を橋渡し"]
    P <--> BL["🔵 ブルーチーム<br>守る側"]
    style R fill:#2d333b,stroke:#f85149,stroke-width:2px,color:#e6edf3
    style P fill:#2d333b,stroke:#bc8cff,stroke-width:2px,color:#e6edf3
    style BL fill:#2d333b,stroke:#58a6ff,stroke-width:2px,color:#e6edf3
チーム 役割 何をする
🔴 レッドチーム 攻撃役 実際の攻撃者のように侵入を試み、組織の弱点を暴く。このノートの ① 〜 ⑤ はレッドの技術
🔵 ブルーチーム 防御役 攻撃を検知・防御・対応する。ログ監視・侵入検知・痕跡調査(→ 10. 守る側のツール)
🟣 パープルチーム 橋渡し 赤と青が協調し、「攻撃手口」と「防御改善」を突き合わせて組織全体を強くする

💡 ペネトレーションテスト vs レッドチーム演習(よく混同される): - ペネトレーションテスト = 決められた範囲で「脆弱性を見つけて報告する」こと(本ノートの中心) - レッドチーム演習 = より本格的に「実際に侵入し、気づかれずに目的を達成できるか」を試す(ステルス・長期戦)

このノートはペネトレーションテストの基礎技術を学ぶものですが、使う技術はレッドチームにも通じます。


3. 攻守は地続き(このノートの立ち位置)

flowchart LR
    A["攻撃の技術を学ぶ<br>(レッド)<br>nmap→exploit→meterpreter"] --> B["どこを守るべきか分かる<br>(ブルー)<br>痕跡検知・穴塞ぎ"]
    style A fill:#2d333b,stroke:#f85149,stroke-width:2px,color:#e6edf3
    style B fill:#2d333b,stroke:#58a6ff,stroke-width:2px,color:#e6edf3

本ノートの本筋(① 偵察 〜 ⑤ 横展開)は レッド(攻撃)の技術です。 しかし攻撃を理解することは、そのまま ブルー(守備)——「どこを・何を見れば侵入に気づけるか」——の力になります。 だから 10. 守る側のツール で、守る側のツールも扱います。


4. その他の頻出用語(ミニ辞書)

用語 意味
スコープ テストしてよい対象の範囲。絶対に逸脱しない(逸脱は違法)
Rules of Engagement (RoE) 診断の取り決め(対象・期間・手法・連絡先など)。書面で合意する
脆弱性(Vulnerability) 悪用されうる弱点
エクスプロイト(Exploit) 脆弱性を突く攻撃コード/手口 → 07. 侵入(Metasploit)
ペイロード(Payload) 侵入後に実行する中身 → 07. 侵入(Metasploit)
CVE 脆弱性に付く世界共通の背番号(例: CVE-2017-5638)
CVSS 脆弱性の深刻度スコア(0〜10、10 が最悪)
OSINT 公開情報からの偵察 → 06. 偵察(nmap)
ピボット / 横展開 侵入先を踏み台に内部へ広げる → 09. 横展開

⚠️ どの型・どの立場でも、許可された対象・スコープの中だけで行うこと。これが大前提です。