付録B. Kali Linux を UTM の VM で動かす(Apple Silicon)🐉¶
本物の Kali Linux を Mac(Apple Silicon)の仮想マシンで動かす手順です。 引っかかりポイントが多いので、実際に詰まった箇所と回避策をすべて書いています。 この通りに進めれば、黒画面やインポートエラーで止まらずにインストールできます。

👆 これが完成形。Apple Silicon の Mac 上で、Kali のデスクトップがこのように動きます。
全体の流れ¶
flowchart LR
A["① UTM を入れる"] --> B["② Kali の ISO を落とす"]
B --> C["③ VM を作る"]
C --> D["④ シリアルで<br>インストール"]
D --> E["⑤ 片付け<br>(ISO/シリアル外す)"]
style A fill:#2d333b,stroke:#3fb950,stroke-width:2px,color:#e6edf3
style B fill:#2d333b,stroke:#3fb950,stroke-width:2px,color:#e6edf3
style C fill:#2d333b,stroke:#58a6ff,stroke-width:2px,color:#e6edf3
style D fill:#2d333b,stroke:#bc8cff,stroke-width:2px,color:#e6edf3
style E fill:#2d333b,stroke:#f85149,stroke-width:2px,color:#e6edf3① UTM を入れる¶
UTM は Mac 用の仮想化ソフト(QEMU ベース)。
② Kali の ISO を落とす¶
kali.org/get-kali から Installer(arm64) の ISO を取得します。
- **ARM64(Apple Silicon 用)**を選ぶこと(間違えて x86 版を落とすと遅い/動かない)
- ダウンロードが遅いときは、ミラーを変えると改善することがあります
- ダウンロード後、公式の SHA256 と照合して破損がないか確認するのが安全
③ VM を作る¶
UTM の「新規仮想マシン」→「仮想化」→ Linux を選び、落とした ISO を指定します。 目安のスペック:
| 項目 | 推奨 |
|---|---|
| アーキテクチャ | ARM64(aarch64) |
| メモリ | 4096 MB 以上 |
| CPU | 4 コア |
| ディスク | 40 GB 程度 |
| ディスプレイ | virtio-ramfb |
④ シリアルコンソールでインストール(← ここが最重要)¶
⚠️ 引っかかりポイント:黒画面「Display output is not active」¶
Kali のインストーラは、Apple Silicon の UTM で グラフィック画面が真っ黒になる既知の不具合があります(Kali 側のドライバ問題)。 これは 公式も認める既知の問題で、回避策は「シリアルコンソールでインストールする」ことです。
回避策:シリアルデバイスを追加する¶
VM の設定で Serial デバイスを1つ追加します(モード = Terminal)。 すると VM 起動時に窓が2つ開きます:
┌─────────────────┐ ┌─────────────────────────┐
│ 真っ黒な画面 │ │ 黒地に白文字のターミナル窓 │
│ (無視でOK) │ │ ← こっちでインストール進行 │
└─────────────────┘ └─────────────────────────┘
「Kali Linux (Terminal 1)」の窓を開き、そこでインストーラを進めます。
💡 インストール後は GUI が正しく表示されるようになります(インストーラだけの問題)。
インストーラの主な選択(迷いやすい所)¶
| 画面 | 選ぶもの |
|---|---|
| 言語 | English(テキスト画面は日本語が文字化けするため。後で日本語化可) |
| 国 | Japan |
| ロケール | 日本の組み合わせが無ければ United States - en_US.UTF-8 |
| パーティション | Guided - use entire disk → All files in one partition |
| Write changes? | Yes(デフォルトが No なので注意) |
| ソフトウェア選択 | デフォルト(Xfce + 標準ツール)のまま Continue |
インストールが完了すると、青い GUI ログイン画面が出ます。作成したユーザーでログイン。
⑤ 片付け(インストール後)¶
インストールが終わったら、不要になった ISO(CDドライブ)とシリアルデバイスを外します。 VM をシャットダウンしてから、設定で次を削除:
- CD ドライブ(kali.iso)
- Serial デバイス
- (デバッグログを有効にしていれば)無効に戻す
これで次回からは GUI 窓だけがきれいに開きます。
🧰 引っかかりポイントまとめ(詰まったらここ)¶
| 症状 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 黒画面「Display output is not active」 | Kali インストーラのグラフィック不具合(既知) | シリアルコンソールでインストール(④) |
| 「Cannot import this VM」 | VM 設定ファイルが不正 | 設定を手書きせず、UTM の正規のウィザードで作る/動く既存VMの設定を土台にする |
| ISO ダウンロードが遅い | ミラーが遅い | 別のミラーに変える |
| x86 版を落としてしまい激遅 | アーキ違い | ARM64(Apple Silicon)版の ISO を使う |
| テキスト画面が文字化け | 日本語フォント非対応 | インストーラの言語は English を選ぶ |
💡 これらは実際に筆者が Apple Silicon で Kali VM を立てたときに踏んだ罠です。 上の手順どおりなら回避できます。
AI にセットアップを手伝ってもらう¶
この VM 構築を AI に手伝ってもらうプロンプトは ai-prompts.md にあります。
⚠️ Kali は攻撃ツール一式が入った OS です。自分の練習対象にのみ使ってください。